見学場所:木質バイオマス発電所(株式会社バイオパワー勝田) 
日時:2008年6月12日
執筆者:第8期生 戸田憲治

はじめに
 茨城県ひたちなか市にある木質バイオマス発電所は、潟^クマと勝田環境鰍フ合弁会社である潟oイオパワー勝田が運営しており、建設廃棄物の再資源化を義務付けた建設リサイクル法の制定や、電力供給の自由化を目的とした電気事業法の改正、及び近年急務とされる地球温暖化防止に向けた新エネ法の改正やRPS法の制定を背景に、平成17年7月に営業運転を開始した。資源エネルギー庁の新エネルギー事業者支援対策事業の補助を受けたこの発電所は総事業費約19億円(内補助約4億円)で、RPS設備としての認定を取得した、地球にやさしい発電所である。



1 施設の概要

 形  式 : 流動層ボイラ+蒸気タービン
 燃  料 : 木くずチップ
 燃料消費量 : 150 t/
 年間稼動日数 : 340
 発電出力 : 4,900kW(売電 4,100kW
          Max4,990kW(売電 4,250kW
 発電効率 : 22.47
 蒸 気 量 : 25.5 t/h
 蒸気条件 : 6.1MPa×425



2 運転状況
 燃料となる木質バイオマスは主として隣接する勝田環境鰍フリサイクル施設で破砕選別された解体材や間伐材のうち、マテリアルリサイクルに適さない木くずチップを有償で引き取って使用している。木くずチップは一台あたり約7tを積んだトラックで1日に25台分搬入され、2日分の容量を持つピットに一時貯留される。ピットからはクレーンでホッパに投入され木くず供給フィーダから流動層ボイラ内へと送られる。
 発電出力は最大4,990kWであり、発電した電力のうち約740〜800kWを場内で消費し、残りの約4,100〜4,250kWを特定規模電気事業者である丸紅鰍ノ販売している。
 運転人員は直勤務者8名(3直4班)+日勤1名+事務3名の12名体制で運転されており、1直2名のうち1名はクレーン操作も行う必要もある。
 燃焼灰はボイラ灰とバグ灰に分けて捕集しキレート処理される。ボイラ灰とバグ灰の薬剤添加率を高く設定している。
 最近は化石燃料の高騰などから木くずチップの需要が増えて確保が困難になってきたため3割程度を長野県や福島県、千葉県などの遠方から購入しており、購入価格が3円/s程度になるものもあるとのこと。また、解体材の入手が困難になっていることから間伐材や剪定枝の割合が当初の2割程度から3割程度に増えており、これらに含まれている異物の影響でコンベアの磨耗が激しいうえに、発熱量の低下による発電への影響や灰の増加などの問題が起こっていると教えていただいた。
 また、近隣に大規模なバイオマス発電施設が竣工するなど木質バイオマスを収集する環境は年々厳しくなっているようであり、より一層のコスト削減が課題であると話されていた。

 


3.所見
 出力アップや、バグ灰を減らして灰処理薬剤の低減を図る工夫、蒸気復水器の能力不足時における井戸水噴霧の工夫、あるいは排ガス処理費を抑える工夫、そして、そもそも燃料となる木くずチップの供給元に隣接して発電所を設置するという工夫など、すべてにおいて究極の効率を図った施設であると感じた。同時に、収益事業としての厳しい現実もまた強く感じられ、いろいろな面で勉強になる見学会であった。
 最後になりますが、施設見学にあたり、大変丁寧にご案内いただいた潟oイオパワー勝田及び潟^クマの皆様方に深く感謝申し上げます。

以上

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